『こころ』1,913日目


早朝 朝日を受ける蓼科山 標高2,531m

よくやった『こころ』!
千葉練仲間Kさんご提供の一枚。
いつも綺麗な写真ありがとうございます。


 5/10蓼科GRT撤収後 拠点小屋に戻り 人も犬も 一日走り回りと 良い意味での緊張感とで 既にヘロヘロでした。荷物を小屋に入れ ようやく緊張感から解放された私、角ハイボール ロング1缶で 夕食も風呂も 取れずに撃沈! 翌朝 暗いうちから 荷物をまとめ 現実世界へ戻ってきました。
 一昨日月曜日 午前中早い時間には 事務所業務に復帰できたのですが 業務残山づみでえらい状況です。 なんとか深夜までかかり最低限の業務対応をこなし後 昨日は 埼玉まで出張。夕方 帰路 大宮で新幹線に乗ると 速攻 車内販売の角ハイボールと新潟名物『鮭の焼漬弁当』 (上越新幹線に乗ったら駅弁はコレがおすすめ!秘伝のタレに漬込まれた焼き鮭が絶品デス) http://www.ekiben.or.jp/sanshinken/type/makunochi/2009/07/000463.html をいただくと 不覚にもまたしてもそのまま撃沈…。新潟が終着で助かりました。


 現在5/13 AM3:30 です。そんなわけで蓼科GRT以降いきつく暇のなかった私ですが 疲れ果ててぐっすり眠った後 不意に目が覚めたついさっき… ものすごく大事なことに気づきました。
 5/10蓼科GRT 最終種目 ロングマーキングに於いて アヤツの脚が一旦止まり 不可解な動きになった件 、昨日 日記にていつもとうり総括し次へつなげる示唆を自分なりに得たつもりでおりました。 でもこれ http://d.hatena.ne.jp/ysj/20150511 は違いますね。 我らにとっていただきシュチュエーションのロングマーキング設定で なぜアヤツが不可解な動きになったか、なぜ競技後 ターフ内クレートでアヤツがあんなにしょげていたのか … 私は ハンドラーのスタートへの持っていきかたで アヤツがやや散漫になり その結果 わがままな気持ちを引き出してしまったと理解しましたが… 実はまったく別の理由で あの動きに至ったこと ようやく気づきました。 たぶん今回の試合で 得るべき教訓の一番大事なところを 私は 誤認していました。


 直前の種目 M(マーキング) x B(先取りブラインド) のほぼI型 出走時 、アヤツなんとか先取指示の奥のブラインド側から取ること出来たのですが スタート直後 完全に空中軌跡が追い切れているマーキングダミー側かブラインド側を取るか 一瞬迷ったんですね。主人大声にての指示伝達 バック号令で 奥に先取ブラインドがあること理解 うまく指示順回収出来ました。 その直後の最終種目 ロングマーキングです。 スタートに立ったアヤツから見れば ブラインド側の発砲音がなかったこと以外 全く同じシュチュエーションなんですね。 マーキングダミー投下後 いつものロングマーキング種目のようにまったく方向指示なしのゲトン声符のみで送り出されたアヤツ…我がTeamに限ってのケースですがこれがハンドラーミスです。 直前のI型ダブルのイメージがあるので 私の指示がない送り出しに 意図をはかりかねて 脚が止まったんですね。 今まで練習に於いては 同じ設定を反復していく中で 設定趣旨と私の意図を理解していく手法をとっていた我がteam 、アヤツが今回のロングマーキングは、直前に走った I型ダブル ブラインド先取の発展系の セットなのか  シンプルないただきシュチュエーションロングマーキング セットなのか 迷ったのは無理ありません。(というよりこんな犬はアヤツしかいません。)
「今 空中軌跡を見た マーキングダミーをいっちょ回収してきな!」と私が軽く一言ちゃんとアヤツに伝えられていれば (あくまでも我がTeamの間合いに限って必要な伝達事項、我がTeamに於いても今回はかなりレアなケースだと思いますし、普通は不要です) アヤツ確信を持っていつものようにマーキングダミーに向けてターボ全開で飛び出していったはず…。 あの状況 ガンドックにとって 血沸き肉躍るロングマーキングのダミー投下をスタートではっきり認識出来た上で、 設定の趣旨 (=アヤツにとっては絶対の私の意向なんですね) をまず考えてから動こうとするアヤツ! こんなことが冷静に出来る犬は アヤツの他にはいません。  やっぱり我らは一蓮托生の Teamなんですね。

このことに気付くと 今回のロングマーキングでのアヤツの不可解な動きに至った経緯が全て理解できました。 スタート後脚が一瞬止まったのは 直前のセットI型ダブルの発展系だと誤認したから。ゴマカシチッチの行動は設定意図を理解しかねている場面での 主人一喝でどうすればいいかわからずすっかり途方に暮れた末の行動、またバックレチッチが非常に長かったのは アヤツその後どう動くべきか必死になって考えていたんですね。マーキングポイントを20mオーバーランしたのは 直前の奥ブラインド先取りI型ダブルのイメージがあったから。(絶対に指示順意図を間違えて失格にはなっちゃならないと思っていたのでしょう) 競技後アヤツがなんであんなにしょげていたのかは…私と同じこと考えてダミーを取るいつもの間合いになれなかったからですね。アヤツ自身このことが一番納得いってなかったんだと思います。実はこのこと アヤツにとっても ダミーを取る取らないとは全く別なんですね。私もまったく同じ気持ち。
私の中で今回の蓼科GRTでどうしても納得いっていなかった部分 全て氷解しました。


 『こころ』すまん! とうちゃんがヘボだったんだ。
アヤツにとっては精神的にいっぱいいっぱいの限界点 正に得俵一本で踏ん張りきったんですね。
こんな大事なことに 試合後3日目にしてようやくきづく私…トホホです。Team KOKORO まだまだ道は遥か…。
しかし今回の 行動の理由は全てはっきりしたのですから 2度と同じ状況に陥ることは我がTeamありません。


 犬が考えれば ターゲットへ向かう意欲が落ちる という見方意見もあること承知しています。しかしそれは考えながら走るから もともとあった意欲が落ちるんではないんですね。考えながら走れる犬は その経験を積み重ねることによって むしろその局面での適切な判断を ターゲット確保に向けてプラスに変えていくことが出来ます。適切な判断を積み重ね どんな局面でもアヤツが確信を持って走り込んでいけるようになるために 私とTeamを組んでいるわけですから。確信を持って送り込める間合を適切に醸成出来ていれば 犬が考えながら走っていたって その走力が落ちるようなことはないこと 我ら地元新潟や八ヶ岳南麓での単独ダミー練で いつも経験しています。
こういう部分に於いても アヤツが底力を発揮できるようになるのは まだまだこれからなんですね。頭のいい犬とヘボなハンドラーの組み合わせは時間がかかるんですよ。でも時間をかければいいんだと思っています。
今回の蓼科GRTロングマーキング  すごくカッコワルイレトリーブでしたが 、アヤツ いつもとうり私の意向に沿って最後まで必死に動こうとしていました。
こういった部分 私は自分の犬を 誇りに思います。 Team KOKORO 一歩前進。



Billy Joel - Piano Man (with lyrics) 2006年東京ドーム公演
人生ってやつを歌わせたら Billy Joel…天下一品ですね。
今回の蓼科GRTロングマーキング  私にとっておそらく一生忘れられない一本となりました。