『こころ』2,156日目


本日早朝 新潟市近郊阿賀野川河川敷フィールド 時折雪が舞う天候でした。
一時的に吹雪かれましたが 冬の新潟としては普通の天候。
フィールドには さらっと雪が一面かぶった程度の状態。薄っすらつもったばかりで固まってはいないため犬が走る事自体はそれほど影響ありません。



ボサ越え マーキング基本練 50m x 80m x 125mx2 + シッピング65mx2
 今朝も「直線突破力」を鍛え上げる練習、 昨日同様 ボサ越え マーキングの基本練を 走らせました。マーキング距離設定はMAX 125m、アヤツが容易に走り込んでいける距離に抑えました。スタートからアヤツをヒールに付けて前進し 真っ直ぐ越えさせたいボサ直前 ダミーポイントまでは50mの位置まで進んで この位置からボサ越しに奥でのダミー投下空中軌跡をアヤツにマーキングさせて送り出します。今朝もアヤツ マーキングポイントに向けて 一直線に幅5mほどの高丈枯れ藪ボサ帯を突破、 その後80m地点まで戻って同様にマーキング送り出し、最後は最初のスタート地点125mポイントから 2本連続マーキング回収させました。
スタート送り出しからマーキングポイントまで はねらい通り アヤツマーキングポイントまでは一直線に走り込めています。課題のハザード 5mのボサ帯エリアも直線突破! この部分に関しては文句なしです。いいぞっ!『こころ』。折からの降雪でちょうどマーキングダミー空中軌跡の背後 土手の斜面が真っ白で マーキングダミー空中軌跡をはっきりととらえること出来たのは思わぬラッキーでした。
 さて問題点?は…アヤツ 全走行4本ともダミー確保後戻りの走行経路 突破してきたボサ帯地点から大きく迂回、畔道が縦にあり一時的にボサ帯が切れたエリアを通過して戻ってきました。アヤツ ダミー確保後ほとんど躊躇なくボサ帯が切れた部分に走りだしています。
 往路真っ直ぐ突破していった高丈枯れ藪ボサ帯は5mほどの厚さがあるのですが その中央部、コアな部分は草丈が1m以上のセイタカアワダチ草が群生しています。現在はすでに枯れた状態なのですが その硬い幹は密集状態で残っています。アヤツ往路はその密集したセイタカアワダチ草の枯れ幹を押し分け突破しているのですが 仮にダミーを咥えていた場合 口元のダミーがひっかかり通りぬけるのがチョット厄介な状況なんですね。実際には昨日のボサ越え マーキング基本練と方向のみ逆で ほとんど同じ地点のボサ帯を突破させたのですが アヤツ もしかすると ダミーがひっかり ボサ帯通過が厄介であること昨日の経験から認識した上 迂回経路を取ったのかもしれません。ボサが高く ダミー確保した直後アヤツから私の姿が非常に見えにくかったのは確かですが 直近で一部始終を見ていたスロアーの印象は アヤツが帰路の方向を見失って違う方向へ走りだしたのではなく ダミーを確保して振り返った瞬間から躊躇なく意識して ボサの切れた地点に走りだしていたとのことです。
私もスロアーも 贔屓の引き倒し親バカゆえ 本当のところはアヤツに聞いてみないとわからないのですが、正直いって いつもアヤツの走りを見ていて 私もスロアーも アヤツならそれくらいのこと何事もなく普通にやるだろうな と思っています。
 弱気な判断なのか 合理的な判断なのかは アヤツがどう考えてそういう走行経路を取ったのか ハンドラーである私が確信をもって理解できていないようでは 評価もしてやれないんですね。弱気な判断なら あの手この手で修正に入るべきですし アヤツが意識して合理的な判断としたのであれば 無下に修正云々すべきではないようにも思います。UKのフィールドトライアルラインを模した 日本のGRT競技では 基本帰路であってもハザードを直線突破して戻ってきた方がジャッジの心証は良いでしょう。(往路は直進突破が絶対だと思います…アヤツ出来ている。) ただしそのハザードの状態(ダミーが引っ掛かったり 通過にいろいろなリスクが生ずるケース他) により実は何が適切で合理的かはケースバイケース、そんなにシンプルな話しではないんですね。
 過去そんなに多くはありませんが ハンターさんのお供で千曲川にて鴨実猟にお供 、獲物をアヤツに回収させてもらった経験があるのですが、千曲川での実猟回収の現場というのは UKのフィールドトライアルラインを模した GRT競技のフィールドとはまったく違います。ハンターさん直後方で待機後獲物が落ちたら 犬は 獲物に向けて送り出されると 千曲川中流域特有の段差のある岸辺の斜面を駆け下り 川面へアクセスしなければなりません。岸辺には枯れ藪柳等 場所により生い茂り 駆け降りると言っても実際には2〜3m以上のほとんど崖状の地形なんですね。勢いで不用意にオーバーハングを降りたりすると 川面までのアクセスが出来ず進退窮まってしまいます。しかも獲物は川面でどんどんどんどん流されていきますので 犬が進退窮まっている猶予などないんですね。
実際にご一緒させていただいた長野のハンターIさんの相棒犬は 獲物に向け送り出されると 安全に最短で岸辺の崖を駆け下りる 経路を一瞬で判断し見極め 川面へアクセスしていきます。やはりそういったホームグラウンドでの実猟現場経験を積み重ねて 養われたスバラシイ動き、FTラブとしての能力を真近で垣間見た私は強烈な印象として残っています。 何よりも経験がものをいい またそれを活かして動くことが出来るガンドックが千曲川実猟の現場にはいます。
 はじめてTeam KOKOROが 千曲川へ出撃した日、Iさんにすでに回収済だった鴨を再度支流の比較的楽な岸部から川面へ放り込んでもらい アヤツに回収のトレーニングをさせてもらったのですが… コワイもの知らずだったまだ幼いアヤツ 大胆にオーバーハングの崖を飛び降り川面へアクセス 泳いで水面の鴨を確保後 再び岸部の崖に取りついたのですが…崖の途中で 先ほど降りたオーバーハングを重い獲物を咥えた状態では 当然のごとく上ることが出来ず 進退窮まってしまったんですね。とにかく引きづり上げねばしょうがありませんので 私が崖上から手をのばしてアヤツを引っぱり最後ははいつくばってなんとか崖上まで引きづり上げました。もう当然やもおえず咥えていた鴨は オーバーハング部に置き去りです。
その後少し落ち着かせてから 鴨を回収しようと私が崖の緩やかな経路を選んでオーバーハングまで降りていくと もう本能的に置き去りの鴨が気になってしょうがないアヤツ、 少しだけ緩やかな位置に迂回して下り なんとかオーバーハングの鴨を再度確保 最後は私にお尻を押されてですがどうにか鴨を咥えて崖を上がる事が出来ました。これが考えながら走る事の出来る アヤツ の原点体験です。
 少なくとも千曲川で経験した実猟の現場では 何も考えず勢いだけで崖を真っ直ぐ飛び降りるようなことをしていたら きっと命を落とすと思います。多くの川岸崖は枯れ柳等が生い茂り 上から人はこの先果たして川面まで安全に下りて そしてちゃんと犬が上がってこれる地形であるか見えないような場所もいっぱいあります。犬が崖を下りながら 経路を判断していくしかないんですね。
現在のアヤツ どんなクニック岸部や崖部 でも 自分が上がってこれない地形であれば 不用意に降りていったりしません。ですからこそ私が上から下の地形が見えないような藪の岸辺や松林起伏部の崖であっても 安心して送り出せるんですね。
こういった事 GRTとはまったく違う文化なのですが ですから当然 評価すべき犬の動きというのは そのフィールドや使役によって変わってきます。この動画のようなアヤツの帰路ハザード迂回判断を見て GRTの練習とはいえ 無下に「それじゃダメそ こころ!」とは私的には言えないのはそういう理由です。
 結局正直 真っ直ぐ行くとか 曲ったとか 迂回した なんてことの評価は目に見えた形だけではないと 私は思っているんですね…。



Noel Gallaghers High Flying Birds / Whatever (Live O2 Arena 2012)
ノエル・ギャラガー ハイ・フライング・バーズ」 の「Whatever」、ご存じオアシスの名曲。私のお気に入りの一曲。オアシスではこの曲 メインボーカルをリアム・ギャラガーが取っていますが、彼のパーソナリティーみたいなものがよく表れていてこれもイカしてマス。ただ私としては ソロになってノエル・ギャラガーがボーカルを取る「ハイ・フライング・バーズ」の演奏の方が好きでね。彼らの代表曲「Don’t Look Back in Anger」にしろこの「Whatever」にしろ やっぱり曲全体がノエル・ギャラガーのメッセージなんだなあと感じます。
この曲を聴くと歌い出しの 「I'm free to be whatever I / 俺は何にでもなれるんだ 」という歌詞がいつも私の背中を押してくれるような気がします。